人生の潮の流れに逆らわない ~メキシコ滞在記② コスメル島ダイビング~

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そんな中、後ろからなんやら音がする。酸素タンクを叩く音だ。ダイビング中、インストラクターが皆の注意を引きたい時に、よく行われる手法である。よく見ると、何か手を使って合図を送っている。見てみると・・・

大好物のうなぎを見ずにはいられない。私は潮の流れに逆らって力の限り泳いだ。しかし、想像以上に潮の流れが強く、なかなか先に進まない。呼吸が粗くなる。そんな中やっとうなぎがいる穴までたどり着いた。見てみると・・・

くっそまずそ!!( ・∀・)  

10秒間くらい落ち込んだが、また気持ちを切り替えてインストラクターと共に泳ぎ始めた。数分後、インストラクターが酸素の残量を皆に聞いてきた。これはダイビング中、定期的に行われる。

自分の酸素ゲージを見てみると、前回のチェックから一気に酸素が減っているではないか!しかも、もう浮上しないといけないレベルである。うなぎを見るために、潮の流れに逆らって泳ぎすぎて、酸素を余計に使ってしまったのだ。自分の食い意地に超ドン引きした。

思い返せば、中学生時代から食い意地で随分痛い目を見てきた。食堂に毎日あるパン屋が来ていたのだが、ある新商品を販売したところ、すぐさま大人気。昼休み後10分で完売の日々が続き、私はいつも他生徒に先手をとられる日々が続いた。

どうしたら奴らを出し抜けるか。脳内では私VS他生徒の「(妄想)桶狭間の戦い」が毎日繰り広げられる。気分は今川義元軍に奇襲をしかけようとする織田信長そのものである。

そして「階段を3段飛びで走れば良い(キメ顔)」と結論付けた私。翌日、昼休みのベルが鳴るや否や、電光石火の勢いで教室から走り出した。しかし作戦成功かと思った矢先、事件勃発。勢いのあまり階段を踏み外し、あっという間にずべり落ちてしまったのである。3段飛びならぬ10段飛び。「なんでぇ」と喚く私を友達が助けながら、病院に搬送されることとなってしまったのである。

診断の結果、靭帯を痛め、全治1か月の診断。医師から「何でこうなっちゃったの」と聞かれ、「パンを食わねばならなかったのです」と伝えたところ、「パンと靭帯の組み合わせってあるんだ~」と変な感心をされた。まぁなんだかんだいい思い出である。

話を元に戻そう。酸素残量が浮上しないといけないレベルになったので、私と他の新人ダイバーはインストラクターと共に船に戻った。そして、他のダイバーが潜水時間を終えるのを待っている間、ふとある事を思った。

「あぁこれ、人生と一緒だ」

自分の周りにある潮の流れを受け入れ、無理に逆行しようとしない。無理に逆行すれば、余分な酸素を使ってしまい、予定外の浮上をして休まないといけなくなることが多い。逆に、その潮の流れにうまく乗って泳げば、自分の酸素を余分に使わなくて済むので、余裕を持ちながら前進できる。

現代は本当に豊かな時代である。モノ、情報に溢れ、色々な選択肢を持てるようになった。しかし一方、その豊かさは人々にこの疑問をもたらしていることも事実だと思う。「一体何が自分に大切で、私はどこに向かっていけばいいの?」と。

私もその一人だった。色々なオプションが周りにありすぎて、どれを選択していいかわからず、「私はなんて自分がないんだろう」と落ち込む時がたくさんあった。しかし、ある日思ったのだ。

「あれ、今までもらったチャンスって、周りの潮にふらっと乗ってみた時に訪れた時が大半だ。自分で選択して潮を作り出そうと躍起になるのではなく、今来ている潮を観察して、それに乗ってみて、そこから何ができるか選択すれば良いんだ。」と。

とはいっても、モノ・情報に溢れかえっている時代。私達の周りには常にたくさんの潮が渦巻いている。どうやったら自分に一番大切な潮を見極められるか?

それは「○○したい」と「○○するべき」という心の声は全く違うものだと認識することだと思っている。

「○○すべき」と思っている時は、大体、「皆が思う正解を探そう」としている時である。平たく言うと、「他人軸で生きている」時である。自分の正解は、自分が「○○したい」その先にあるにも関わらず。他の迷うパターンとして、「○○したい、でも□□……」もある。しかし、「でも」が出てくる時点で、大体○○はそこまでやりたくないことなのだとも気づいた。私は幾度の失敗を経験し、やっとこのことに気づいてから、進むべき潮がはっきりとわかるようになった。

私達が背負っている酸素タンクは無限ではない。自分の人生で大事なことを見極め、自分の酸素を最も効果的に配分していきたい、そんなふうに思う。他人軸で生きて、その酸素を消耗するのは非常に勿体ない。

そして、人生の潮の流れというものは、私達のコントロール外である。自分の進むべき潮が見えたら、それに乗ってみて、そこから次のオプションを選択していく。このように自分の姿勢を変えてから、驚くほど私は身軽になった。そして幸せを感じる余力も出てきて、人生を泳ぎやすくなった。

「○○したい」を追い求める時、確かにリスクが怖くなる時はたくさんある。しかし、その時はリスク(risk)の語源であるラテン語の「risicare」 をいつも思い出すように心がけている。

その意味は「勇気をもって試みる」だ。

ということは、「リスクを迎えている時=勇気をもって試みようとしている時」ということである。ビビる前に、まずは勇気ある自分を褒めたたえてあげようではないか。そこから「○○したい」を達成するための「○○すべき」を考え、淡々とこなしていけば良い。リスクは反対から読むと「クスリ」なように、自分軸で生きている中で発生するリスクは、人生を変える特効薬なのだ。

【メキシコ・コスメル島情報】

【メキシコ】コスメルでおすすめの観光スポット9選!陽気なラテンの国へGO♪ - おすすめ旅行を探すならトラベルブック(TravelBook)
コスメル島はカリブ海に浮かぶ観光地です。スキューバダイビングの人気スポットとして有名で、世界中からダイバーがアクセスしています。南米の雰囲気と手付かずの自然を体感することができるスポットとなっています。リゾート地としての開発も進んでいるため、宿泊中は快適に過ごすことも可能です。アクティビティを楽しみたい人はスキューバダ...

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